新しい家族の一員として犬を迎えた際、多くの飼い主がはじめに悩む問題に「トイレトレーニング」が挙げられます。
この記事では、犬のトイレトレーニングを失敗してしまう理由や成功させるコツについて解説していきます。
今まさに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
この記事の特別監修者 – ドッグトレーニングの専門家
廉
小さい頃から動物が居る暮らしをしておりその中で犬の生態を知りたいと思いドッグトレーナーを目指す。
愛犬をお世話するだけでなくコミュニケーションをとり一緒に楽しめる様にお手伝いさせて頂ければと思います。
保有資格
・公益社団法人愛玩動物飼養管理士2級
・全日本ハンドリング検定3級
・OPDESドッグアドバイザー
トイレトレーニングが必要な理由
トイレトレ―ニングは、犬を迎えた際に最初に行うべき重要なトレーニングの一つです。
トイレがマスターできていない犬を飼うのは、飼い主にとって大きな負担となります。
さらに、外でしか排泄できない場合には、悪天候や飼い主の体調不良にも関わらず外に連れ出さなければならず、愛犬もおしっこを我慢することになるので膀胱炎のリスクが高まります。
したがって、犬が室内でも室外でも決まった排泄できるようにトレーニングを行うことは、犬と飼い主、そして周囲の人々にとっても非常に重要なことです。
犬のトイレトレーニングを始める時期
トイレトレーニングは、犬を家に迎えたらできるだけ早く始めるのがおすすめです。
子犬はトイレに行くタイミング(頻度)が多いので、トイレトレーニングを実施できる機会が1日に何度も訪れます。
犬は繰り返しの練習を通じて学習する生き物なので、排尿回数が多い子犬期にトイレトレーニングを開始することで、スムーズに習得することができます。
トイレを失敗してしまう原因
トイレを失敗してしまう際に、考えられる原因について解説します。
トイレに連れて行くタイミングが悪い
子犬がトイレを覚えるためには、マスターできるまでは常に気にかけてあげる必要があります。
最初のうちは様子を見てあげないと、成功よりも失敗体験が増えてしまい、なかなかトイレを覚えることができません。
トイレトレーニング中は愛犬の排泄の兆候を見逃さないように見守り、適切なタイミングでトイレに連れていきましょう。
トイレの環境・設置場所が悪い
排泄したいと感じた時にすぐ行ける場所に設置する必要があります。
尿意を感じてトイレへ向かっても、遠いと間に合わない場合があります。
また、行動範囲が広がるとトイレの場所を見失うこともあります。
したがって、確実にトイレの場所を覚えるまで、なるべく愛犬の生活空間に近いところにトイレを設置するのが良いでしょう。
それに加えて、個体によっては寝床と隣接しているトイレでは排泄しないというケースもあります。寝床とトイレは離して配置することが理想的です。
犬のトイレトレーニングの進め方
犬のトイレトレーニングの進め方について詳しく解説します。
1.失敗しない環境作りをする
犬の体の大きさに合ったトイレを設置します。
設置する際には、普段から使っている寝床からは離して設置するようにしてください。
犬はとてもきれい好きなので、トイレが寝床の側にあるとトイレトレーニングがうまくいかない原因になることもあります。
愛犬がトイレシートを引き裂いてしまう場合には、メッシュ付きのトイレトレーがおすすめです。
犬がトイレで寝てしまうこともありますが、成長とともにこのような習慣はなくなる傾向がありますので、そこまで気にしすぎる必要はないでしょう。
2.トイレのタイミングを察知して連れていく
トイレに行きたそうなサインを見かけたら、すぐにトイレに連れていきましょう。
排泄しやすいタイミングは、
- 起きた後
- 寝る前
- 食後
- 遊びの後
などが挙げられます。
3.排泄に成功したら褒めた後、ケージから出す
排泄が成功したらすぐに褒めて、犬をケージの外に出して遊ばせてあげます。
時間が経つとなぜ褒められているのか理解できないこともあるため、すぐに褒め言葉をかけて外に出してあげるのが重要です。
これを繰り返すことにより、子犬に「あの場所で排泄すると嬉しいことがある」という認識を持たせます。
失敗した場合には怒ったりせず、犬に見せないようにすぐ片付けてしまいましょう。
犬のトイレトレーニングの際の注意点
トレーニングをする際に注意しなければならない点があります。
一つずつ解説します。
褒める言葉を統一する
褒める際には、「いい子」「すごいね」といった短くて聞き取りやすい言葉を使用しましょう。
さらに、褒め言葉に一貫性を持たせることが大切です。
言葉にばらつきがあると、犬が褒められていることを認識しにくくなりますので、家族全員で統一した褒め言葉を使うように心がけましょう。
大げさなくらい褒める
トイレトレーニングで成功した際には、大げさなくらい褒めてあげましょう。
このような褒め言葉で犬はその場所でトイレをすることが喜ばれることだと感じ、トイレの場所を覚えます。
逆に失敗した際には反応せず、黙って掃除をすることが重要です。
失敗に反応すると、犬はそれを褒められていると勘違いしてしまう可能性があるため、冷静に対応しましょう。
失敗しても怒らない
排泄後に飼い主が「怒り」を示すと、愛犬は「排泄行為そのもの」に対して怒られたと誤解し、排泄を我慢しようとしてしまうことがあります。
愛犬が部屋を汚すのでイライラしてしまうかもしれませんが、冷静に対処し、怒りを抑えることが大切です。
一度決めたトイレの場所は動かさない
一度覚えたトイレの場所を後から変更すると、愛犬が混乱してしまう可能性があります。
そのため、一度決めたトイレの場所を変えるのは避けましょう。
場合によっては、どうしてもトイレの場所を変更しなければならないこともあるかもしれません。
その際には、新しい場所で再びトイレトレーニングを行う必要があります。
排泄物はすぐに片付ける
愛犬が間違った場所に排泄をした場合、速やかに掃除しましょう。
排泄物が残ったままの場所には、おしっこの臭いが残り、犬がその場所をトイレだと勘違いして再びそこで排泄しようとしてしまいます。
したがって、おしっこの臭いが完全に消えるまで、徹底的に清掃を行ってください。
布製のカーペットをトイレの近くに敷かない
犬は土や草など柔らかい地面で排泄する習性があるため、カーペット、マット、畳などの柔らかい表面を踏むと、誤解して排泄してしまうことがあります。
したがって、犬が移動するエリアに柔らかい素材を敷かないようにすることが重要です。
敷物は洗浄が容易なクッションマットなどのアイテムを使用するのが良いでしょう。
また、畳やカーペットのあるエリアに犬が入らないように柵を設置することも効果的です。
まとめ
排泄管理は犬の健康維持と共に、人間社会で生きていく為のマナーとしても非常に重要です。
さらに、トイレをマスターすることによって、飼い主の負担を大きく軽減することができます。
トイレトレーニングはとても重要な訓練ですが、過度に神経質になる必要はありません。
失敗があっても冷静に対応し、愛犬のペースに合わせて焦らずにトレーニングを進めることが大切です。
その過程で愛犬との信頼関係を築きながら、健康的な排泄習慣を確立させましょう。