犬のしつけ方とは?押さえておきたい基本的なポイントや注意点を解説

犬を家族に迎えたら「しつけ」が必要です。しかし、何をどのように教えれば良いかわからない方も多いのではないでしょうか。

この記事では、犬のしつけの際に押さえておきたいポイントや注意点について解説します。

この記事の特別監修者 – 犬のしつけの専門家

ren

小さい頃から動物が居る暮らしをしておりその中で犬の生態を知りたいと思いドッグトレーナーを目指す。
愛犬をお世話するだけでなくコミュニケーションをとり一緒に楽しめる様にお手伝いさせて頂ければと思います。

保有資格
・公益社団法人愛玩動物飼養管理士2級
・全日本ハンドリング検定3級
・OPDESドッグアドバイザー

犬のしつけはどうして必要?

犬のしつけとは、愛犬が人間社会で生きていくうえで、守るべきルールやマナーを教育することです。しつけを行うことで、愛犬と飼い主双方に多くのメリットがあります。

愛犬は安心感を持って健康的な生活を送れるだけでなく、多くの人から愛され様々な場所や状況で飼い主さんとの楽しい時間を過ごせるようになります。

反対に、愛犬のしつけをせずに問題行動を起こし、他の人に迷惑をかけると、飼い主さんの意識の低さが問われますし、愛犬が周囲の人に愛してもらいづらくなります。

他人にも肯定的に受け入れてもらうためには、しつけを通じて他の人に迷惑をかけないように教えてあげることが非常に重要です。

犬をしつけるために覚えておくべきポイント4選

犬のしつけを始める前に押さえておきたい4つのポイントをご紹介します。

①叱るのではなく、とにかく褒める

犬のしつけにおいて、望ましくない行動をただ叱るのではなく、望ましい行動を促し、その行動ができるようになったら「静かに褒める」ようにしましょう。

叱りながら覚えさせる方法は飼い主との関係を悪化させる可能性があるため、避けるべきです。

しつけは愛犬にとって負担になるものではなく、むしろ「楽しい!」「もっとやりたい!」「飼い主さんの指示に従いたい!」というポジティブな気持ちを持たせることが大切です。

②個体差を尊重する

世界には約800種類もの犬種が存在し、それぞれが異なる性格や体質、好みや嫌いを持っています。

それぞれの犬によっても性格の違いがあるので、愛犬の性格や傾向に合わせた「しつけ方法」を検討することが重要です。

例えば、トイプードルは一般的に甘えん坊だと言われており、飼い主から離れるのが苦手なケースが多いため、お留守番のトレーニングに時間がかかるかもしれません。

逆に柴犬は警戒心やこだわりが強い子が多いので、抱っこされたりシャンプーしたりと拘束されるのが苦手な場合もあります。

このように犬にはそれぞれ個性がありますので、しつけをする際には他の犬と比べず、それぞれの個性と向き合いながら、ゆっくり進めていくとよいでしょう。

③ご褒美の食べ物は量に注意する

食べ物をご褒美として与える場合には1回1粒程度と決め、過度な摂取に気を付けてください。

ご褒美として食べ物を与えすぎると肥満の原因になるので注意が必要です。

一方、食べ物にあまり反応しない犬には、スキンシップや褒め言葉などが良いご褒美となります。

飼い主からの撫でる行為や褒め言葉は犬にとって非常に嬉しいことであり、食べ物でなくても大きな喜びを与えることができます。

④合図を統一する

同じ指示に対して、異なる言葉を使わないようにしましょう。

しつけを行う際、犬に対する言葉は家族や主要な接触者間で統一させることが基本です。

同じ指示に対して一貫性を保つことで犬が理解しやすくなり、しつけをスムーズに進めることができます。

基本となる犬のしつけ

基本となる犬のしつけについて解説します。

おすわり(シット)

基本的なしつけの一つが「おすわり」です。これは、犬にとって非常に重要な動作であり、必ず習得させておきたいしつけの一つだと言えます。

この姿勢は犬の動きを制御し、興奮した状態を抑えるのにも非常に有効です。

教え方

  1. ご褒美用のフードを手の中に隠して手を握ります
  2. 手を握ったまま犬の鼻先に近づけます
  3. 手を握った状態で「おすわり」と言いながら手を上に向かって動かします
  4. おすわりの姿勢になったら「グッド」などと褒めて静かに撫でます

ふせ(ダウン)

犬の後ろ足、胸、肘が地面についた姿勢を取らせる指示です。

これができるようになると愛犬がドッグカフェなどで落ち着いて座ることができ、お子さんなどにも撫でられやすい姿勢となります。

この体勢は「おすわり」と比べて犬がリラックスしやすく、興奮を抑えたり、他の人や犬への恐怖心を軽減するのに役立ちます。

教え方

  1. 最初に「おすわり」の指示を出し、おすわりができたら褒めます
  2. そのあと数秒ほど間隔を開けてから、腕を床まで下げて犬の足をたたませます
  3. 犬のお腹が床についたら「フセ」と言葉をかけて、すぐ褒めます

待て(ステイ)

犬が動きを中断し、飼い主からの解除合図があるまで静かに待機させる指示です。

この行動はおすわりや伏せとは異なり、停止後に犬が指示があるまで我慢しなければいけません。

飼い主の合図で我慢をするのを学ぶことで、衝動的な行動を抑制し、交通事故などの危険を減少させるなどの利点があります。

教え方

  1. フードを持った手ではなく、もう一方の手のひらを犬の方に向けて伸ばし、「マテ」と声をかけます。
  2. そのまま一歩下り、しばらくの間待ちます。
  3. しばらくの間待てていたら元の位置に戻り、「よし」の合図で解除してから褒めます。

おいで(カム)

おいで」という呼び戻しの指示です。

教えることでトラブルや事故の予防だけでなく、リードを装着したり、ブラッシングしたり、ケージに戻ったりする際など、さまざまなシチュエーションで役立ちます。

散歩中などに、リードや首輪が外れてしまう可能性もあるため、呼び戻しの指示を教えておくことは非常に重要です。

最悪の場合、犬が迷子になる可能性もあるため、予防策として「おいで」の訓練を行いましょう。

教え方

  1. 犬に「待て」と命じた後、リードを伸ばして離れます
  2. しばらく犬を待たせ、その後「おいで」と命じます
  3. 犬が近づいてきたら「ヨシヨシ」と声をかけて褒めます

もし犬がなかなか寄ってこない場合はリードを使って引き寄せます。この際、人間が犬に近づいてはいけません。

訓練が進むにつれてヒモの長さを長くしていき、犬が確実に呼び戻しの指示を覚えるまではヒモを付けたままで練習を行います。

しつけはいつから始めたらいい?

新生児の子犬は脳が未発達なので、飼い主の要求を理解するのが難しいかもしれません。したがって、しつけは生後2〜3ヶ月頃から始めるのがおすすめです。

犬の生後3週間から3ヶ月までの期間は「社会化期」と呼ばれ、さまざまなことやルールを受け入れやすい時期とされているため、しつけをするタイミングとしてはピッタリだといえます。

ただし、具体的なタイミングや順番は犬種や個体によって異なるので、愛犬の行動や反応を注意深く観察しながら、その子に合ったペースでしつけを行うことが大切です。

まとめ

愛犬が人間社会で幸せに暮らすためには、しつけが必要不可欠です。
ただし、人間と同様に犬それぞれに個性があり、得意なことや苦手なことがあります。

前述した基本的な指導法はあくまでも一例に過ぎません。
愛犬の個性や性格に合わせて、ゆっくり進めることが最良の方法です。

もし、しつけに不安を感じている場合は、しつけ教室やドッグトレーナーに相談してみることをお勧めします。


しつけ方のポイントや注意点を把握し、愛犬との快適な生活を築いていきましょう。

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